この度、MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesignBldgは、【日本初採用】英国ロンドン地下鉄駅の階段金属建材(Stair Nosings)を導入することになりました。

昭和7年(1932)竣工、銀座にある近代建築[MUSEE GINZA]ビル・リニューアル改修の最終工程となります。ビル3階、屋上までのステップ数は31段あります。87年の永き使用に伴うコンクリートの経年劣化、摩耗による踏面の傾きのため、安全確保が急務となっており、最適な部材・施工方法を検討して参りました。

 

MUSEE代表の川崎が、自らニューヨーク・シカゴ・パリ・イスタンブール…と古い建築が多い都市の公共空間を訪ね歩き、昨年夏、ロンドン地下鉄で真鍮製で光輝く素晴らしい建材と出会いました。AATi社(https://www.aati.co.uk)半年間もの交渉を重ね、この度、特別に MUSEE GINZA のために31本の金属建材(Stair Nosings)を製造してもらえることになりました。特注の金物は、耐久性や美観の観点から、シルバー色のアルミ製を選択。ロンドン地下鉄と同じ意匠の建材が31本、サイズ、穴位置・口径を細かく指定して製造されました。すべり止めのため、砂状の異種素材が表面を覆い、鋳造されたもので、使用するとともに美しく研磨され、光り輝きます。

 

ロンドンから鉄道で2時間、エセックス州Braintree郊外にある工場まで出向き、品質をチェック。英国以外では、アメリカや中東、香港で採用された以外には事例がほとんどないとのこと。「年始早々、わざわざ日本から乗り込むとは!こんなクライアント初めてだ」とAATi社のCharles Monk氏に、感激をもって迎えられました。

 

氏によると、25年ほど前、リバプールストリート駅の構内で採用されたことを契機に、ロンドン地下鉄とのコラボレーションがスタート。現在は、改修が進まない箇所を除いて、ほとんどの駅でAATi社の製品が採用され、その特徴的なデザインは、意匠権を取得したオリジナル。美観と耐久性から、高く評価されているそうです。

 

 

ロンドン地下鉄駅以外にも、
●バッキンガム宮殿のエリザベス女王による「Jubilee Plaque」
●ピカデリーサーカス界隈にあるエンターテイメントの殿堂「London Trocadero」
●《極度乾燥(しなさい)》の面白フレーズで有名な「Superdry.」リージェントストリート本店
●質の高い美術展も開催する国立美術学校「Royal Academy of Arts」
●世界文化遺産、テムズ川岸辺に建てられた城砦「ロンドン塔」
など、歴史的な名所を含むさまざまな場所でも採用されています。

 

MUSEE GINZA用の特注部材31本は、重量が43kgもありましたが、一本ずつ丁寧に梱包されたものをカートにくくりつけ、手荷物として移動。鉄道や地下鉄を乗り継ぎ、ヒースロー空港よりイスタンブール経由で空輸しました。

 

 

2019/1月末に銀座での取り付け施工を完了する予定です。

 

2/6(水)スタートのMUSEEGINZA企画展「英国劇場建築の世界 The world of British Theater Architecture」で、新しくなった階段を初お披露目致します。実際にロンドン劇場でも採用されている建材でもあります。英国建築つながりで、MUSEEGINZAの階段にもご注目ください。