銀座の象徴、和光。格調と華麗さを体現。銀座のシンボル、和光の時計塔は1932年(昭和7年)竣工。緩やかな弧を描くネオ・ルネッサンス様式。塔の高さは9m、その上に8mの尖塔と避雷針が付属する。四方にある時計文字盤は東西南北を向いており、直径は2.4m。建物の外装材は、関東大震災直後、設計段階で予定されていたテラコッタからより強靭な天然御影石へと変更され当時最高の技術が注ぎ込まれた。時計文字盤や窓部分は、ブロンズでアラベスク(唐草)の繊細な透かし模様の装飾などが施され、店内壁面は伊から輸入された大理石を使用。設計は、後に東京国立博物館本館、旧第一生命館を手がける渡辺仁。日本建築にモダニズムの波が押し寄せた昭和初期に、この建物が重厚華麗なネオ・ルネッサンス様式の姿を身に纏った理由は、当時の服部時計店図案部長、八木豊次郎の強いこだわりに由来する。伝統的な様式を踏襲しながらも新時代の感覚を反映させ、商号である「H」を刻んだレリーフなどディティールに配した。モボ、モガが闊歩する昭和の銀座と石造りのクラシカルな建物が見事に共存する景観が立ち現われた。【28】1940年(昭和15年)頃・(大東京)帝都随一の商店街銀座大通り
