【日時】2025年5月24日〜8月31日の(金・土・日)13:30-15:00 ※6/1、6/15、7/13(日)は休廊
【場所】MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign 東京都中央区銀座1-20-17川崎ブランドデザインビルヂング【料金】入館無料
【関連イベント】東京建築祭 特別公開 2025年5月24日-25日は10:00〜17:00
【開催趣旨】建築は、単なる構造物、ハードの要素だけではなく、人の人生に深く関わり、街の記憶として刻まれます。東京建築祭2025は、「東京の多彩な建築を体験し、楽しむ。 つくるひと、使うひと、守り継ぐひと-さまざまな思いに触れ、建築が身近になる。」というコンセプトで、現代に息づくひとにもフォーカスを当て、世界的な名建築があふれる都市・東京のまちを発見する祭典です。
MUSEE GINZAは、前回に引き続き、建築祭のコンセプト・社会的意義に賛同し参加することになりました。前回は2日間で1,662名に来場いただき大盛況でした。その勢いに乗り、今年2025年3月には、念願だった国の登録有形文化財に選定されました。また私共が取得以前に永年ビルを所有してこられた宮脇俊子氏が実は花柳界のトップスター新橋芸者「小ひ奈」(1926-1999)だったことが判明するなど、激動の1年でした。
今年は、私共MUSEEGINZAが、4代100年を超えて建築と関わってきた社歴になぞらえ、建築保存へと導いた現代アートコレクションを公開します。特に先代までは、大分を拠点に建設会社として九州各円で様々な建築や土木に施工で関わってきました。ゼネコンにとって建築保存は、利益相反の行為ではありますが、私共の美学として、恒久的に後世に使えゆく価値ある建築に関しては、声をあげ保存を提起して参りました。
赤レンガ館(旧第二十三国立銀行本店)辰野金吾・片岡安
地銀主導のガラス貼りオフィスビルへの建替えを、若き当社3代目が地銀の株主総会で声を上げ阻止。1993年、大増築を設計・施工で実現し、永年に亘る改修が評価されてBELCA賞受賞しました。
大分市美術館アートプラザ(旧大分県立図書館)磯崎新
90年代、老朽化による解体が予定されており、民間で保存運動がされていたところ、当社3代目が当時の平松守彦県知事に直談判で最後の後押しを行い、1998年に美術館への転用が実現しました。
旧宮脇ビル(川崎ブランドデザインビルヂング)設計者不詳
関東大震災の復興建築として1932年竣工。元は油商店の事務所が入居。2013 年当社が取得し、藤本壮介さん設計の高層ビル新築計画を中断、保存する判断を下しMUSEE GINZAギャラリーを開廊。2025年3月、国の登録有形文化財に選定されました。
これら建築保存を導いたのは、一流の現代アーティストとの交流がベースにあります。1960年代、前衛的なパフォーマンスで銀座を練り歩き「読売アンデパンダン」展への挑発行為などで大きな物議を生んだ、伝説の前衛美術集団「ネオ・ダダ」(ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ)。その創設メンバーの一人でパフォーマーとして国際的に知られた風倉匠(1936-2007)、今もボクシングペインティングで旋風を起こしている篠原有司男(1932-)、アトリエだったホワイトハウスを提供した主宰者 吉村益信(1932-2011)、ネオ・ダダのオブザーバー、ブレーンとして活動を見守った建築家 磯崎新(1931-2022)、「うつろい」の彫刻で国際的に活動した宮脇愛子(1929-2014)。現役では、ドイツで社会問題解決にも取り組むクリスチャン・アヴァ(1978-)、渡米しブラッシュストロークの名手として今や日本を代表するアーティストへと急成長を遂げた山口歴(1984-)ら私共コレクション作品の一部を展示します。
私共MUSEEGINZAの建築保存を、深い教養、静寂と躍動の作風をもって精神的に支え、現代美術を語る上でも外せない珠玉のコレクション東京建築祭に合わせてを公開します。建築保存を後押ししてくれた現代アート界の贅沢な競演をお愉しみください。