藤本まり子 初個展 【誰も、君に意地悪をしませんように。】

《展示コンセプト》

    誰も、君に意地悪をしませんように。

 

   優しく生きる事は難しい。
   競争や攻撃によって人の先を行かんとする人も多い中、
   優しさは弱さや甘さに間違えられがちだ。
   いつも人に優しく出来る人は、
   そういった反感を気にしない、強い人に見える。
 
   皆が優しければ、皆が生きやすいのに。
   「自分にしてほしい事を、人にもしてあげましょう」
   幼稚園の頃には、親や先生によってそんな倫理観が
   インプットされたような気がするのに、
   忘れてしまったのか、自分には関係ないと考えているのか…。
 
   ーそう思っていた。しかし。
   人間、思い通りに行かない事もあれば、
   嫌いな(合わない)人に会う事もあれば、
   理不尽にぶちあたる、あるいは自分から人に
   理不尽を降りかけてしまう事だってあるかもしれない。
   分かっていてやってしまう理不尽、これは 意地悪 だ。
 
   本当は、優しくされたら優しさを返すのループであって欲しい。
 
   しかし自我をもった生物である以上、
   自分を守るために、「嫌い」という感情も
   きちんと持っておかなければならない。
   故に、必ずどこかで意地悪はおこってしまうと思う。
 
   ただ、してしまった意地悪は”悪い事”なのだと、
   自分で知っておかなければならない。
   跳ね返ってくる恐れがあることも忘れてはいけない。
 
   そして、自分が大切に想っているものには、
   意地悪が降り掛からないでいて欲しいと、切に祈る。
 
   同じ祈りは通じ合い、引かれ合い、共鳴すると、そう思っている。

 

《作家経歴》

    藤本まり子  Mariko Fujimoto

1991  東京に生まれる
2014  多摩美術大学絵画学科油画専攻 卒業
     現在、科目等履修生として多摩美術大学に通いつつ、制作活動を続けている。主に平面絵画を制作。

 

2014  多摩美術大学卒業・修了制作展   多摩美術大学
      五美術大学合同卒業・修了制作展   国立新美術館

2013  グループ展『PARTY』
2012    グループ展『LUCKEY STRIKE 修教』
      Artist’s Action for JAPAN  参加
      グループ展『Emergency Contemporary Artist in Japan 2012』     NY
2011   グループ展『tokimekiippai』
     服飾部展示『First impression』
     デザインフィスティバルvol.33出展    国際展示場
     U35・500人アーティスト小作品販売EXHIBISION  横浜赤レンガ倉庫
2010  『プラチナ妄想』
      グループ展『女-adult-』
2014 秋 二人展 「要」 開催予定

 

《メッセージ》

人の、読み取れるか読み取れないか、という
微妙な感情・表情の表現を追求しています。
中性という曖昧さに惹かれ、中性的な人物を描きます。
日本・日本人が好きです。

 

《展覧会 会期中の展示風景》

 

iyamari展 I CAN SEE, BUT I CAN’T SEE

iyama-mari ginza-retro

 

I CAN SEE, BUT I CAN’T SEE

 

 

 我々の思考は常に遮られている。限界が存在する。それは、人が世界を知覚するにあたり、用いる唯一の世界との接点が五感であり、その五感にそれぞれ機能の限界が存在するからである。我々は普段の生活で、それ(知覚の限界)を感じることはなく、知覚出来ない部分の存在は永遠に謎である。いくら知覚補助として様々な機械を発達したとしても、人間がそのデータを受信し続ける限り、そこには必ず壁が存在する。

 

 小さい頃、何故自分には今手で触れている木の内側を見ることが出来ないのか、ガラスの向こうの水に触れることが出来ないのかと疑問に思ったことがある。何故、昆虫は自分では見えない自分の背中を、あんなにも見事に周りの風景に溶け込ませることが出来るのだろうか。片目を閉じればあんなにも近くにある家が目を開くと何故遠くに行ってしまうのか。時計とは時間とは何なのだろう、それは区切る事が出来るのだろうか。

 

 私の創作の元は、子供の頃に不思議に思った事で、それは大体が今でも謎のままだ。客観性というものはそもそもこの世界に存在しない。しかし、主観を意識し、またそれを突き詰めようとする事によって、客観的世界(知覚の限界のその先)に近づく事が可能なのではないか、そして、それが唯一許されているのがアートなのではないかと私は考えている。

 

                                                                                2014.8

 

作家紹介

  

   iyamari

1987年 埼玉県/浦和市生まれ

2012年 多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業

2014年 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域修了

 

 

展示歴

2008年 『見沼百花展』(Green art team Kawaguchi/ 埼玉,川口)

    多摩美術大学日本画選抜展(たまびば/ 東京,町田)

2009年 『見沼の見! – 2009直視せよ!』(Green art team Kawaguchi/ 埼玉,川口)

2011年 『見沼の見! – 水際に想う』(Green art team Kawaguchi/ 埼玉,川口)

2012年 『Tanemaki 2nd展』(12 Banchi/ 神奈川,川崎)

    多摩美術大学絵画学科日本画専攻卒業制作展(東京銀座画廊メルサ/ 東京,銀座)

    東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館/ 東京,六本木)

2013年 多摩美術大学大学院版画日本画合同展『祭囃子』(佐藤美術館/ 東京,千駄木)

    チャリティー展示『日本画小作品展』(多摩美術大学/ 東京,八王子)

    BS-TBS『未来へのおくりもの』作品出展

2014年 東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館/ 東京,六本木)

   
 

展覧会の様子

 

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銀座レトロギャラリーMUSEE、初のインスタレーション展示です。3階の空間に現れたiyamariさんの新作「Time Response」。人間が知覚できる18分の1秒を、18枚の金箔、墨、和紙の素材が揺らめいて表現します。

スライドショーには JavaScript が必要です。

「明滅する私」芦田いずみ 展

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明滅する私

 

生きていくうちに正負のできごと半々位づつあって

私たちはその正負の極を移動しながらめぐりながら、過ごしている。

そんな当たり前のこと、昔の人がさんざん言って伝えてくれたことだけれど

やっぱり過ごしてみて、最近やっと感じてきた。

世の中は正の思想・感情への肯定が強すぎて、私の生理との乖離がある。

せめて絵の中くらいは正負すべてを肯定したい。

 

 

ごあいさつ

 

今回はモザイクとアクリル、異なる素材の作品を同時に展示します。

同じ人間が作ったものかと混乱される方があるかもしれません。

これらは上記の正負の関係のように、

互いを補う存在として、私の中で展開してきたもので

何とか同時に展示できる方法はないかと考え、実現したのが今回の展示です。

自分でも「どう見えるだろう」という不安と希望があり

そんな面も、一緒にご覧頂けたら幸いです。

                              芦田いずみ

 

作家紹介

 

芦田いずみ

1984 東京生まれ

2007 武蔵野美術大学 油絵学科 卒業

〈受賞歴〉

2007 モザイクビエンナーレ 奨励賞

2011 モザイクビエンナーレ 佳作

2012 世界絵画大賞展    東京都知事賞

〈個展歴〉

2011 「信仰のようなもの」(銀座 ガレリアグラフィカbis)

2012 「新宿のマテリアル」(新宿 オーガードみるっく)

 

展覧会の様子

 

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