World MUSEE Tour 世界ミュゼ探訪002 ケ・ブランリー美術館

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銀座レトロギャラリーMUSEE(ミュゼ)の「MUSEE」は、フランス語で美術館という意味です。

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今回は、フランスは華の都パリの新名所として2006年に仲間入りした

ケ・ブランリー美術館をご紹介いたします。

この美術館は、アジア・オセアニア・アメリカ・アフリカの原始文明の芸術や文化をテーマにした、

今までにないもので収蔵品は30万点に及びます。

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当時のシラク大統領が計画を指揮し、ルーブル美術館に原始美術部門を作る準備を始めさせ、

同時に原始美術専門館の建設構想を指示したことが誕生のきっかけ。

過去にジョルジュ・ポンピドゥ大統領が現代アートで有名なポンピドゥ・センターを作り、

ミッテラン大統領がオペラ・バスティーユなどグラン・プロジェを推進したように、

シラク大統領が自身の在任中の代表的な文化プロジェクトにしようとしたそうです。

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建物の設計は、フランスが誇る世界的巨匠ジャン・ヌーヴェルによるもので、パリの街には珍しい

現代的かつ斬新な建築物。ジャン・ヌーヴェルが得意とするガラスが周囲を覆い、情熱的な所蔵品を

象徴するかのような色とりどりの箱が突き出たような形状で、驚きを与えてくれます。

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これは「カラーボックス」と名付けられた個室で、1部屋ごとに1つの作品が展示されていて、

洞窟の中で作品に出会うような感覚の空間演出がされています。

館内に入ると、現代的な外観とは別に対照的に、古代にタイムスリップしたかと錯覚させるような

洞窟のような空間が広がります。

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一般的な美術館にありがちな、仕切りや白い空間(ホワイトボックス)が存在せず、 

全体を見渡せる巨大なオープンスペースとなっており、その中を緩やかなスロープを歩き、

人類博物館民族研究所とアフリカ・オセアニア美術館の所蔵品を元にした約3500点の展示を

鑑賞することができます。

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「各文明を横断する」という斬新なコンセプトのもと、土手をイメージしたソファや河に見立てた通路、

展示方法も様々な工夫が凝らされていて、まさに異文化の発見を体感できます。

その表現手法は、美術館というジャンルというよりは、エンターテイメント性ある

テーマパークの人気アトラクションのよう。

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写真、映像、音楽、文章など様々なメディアで諸民族の文化を紹介し、また常設展示以外にも

館内の一部や庭園を使った特別展も開催され、多彩な収蔵品からテーマごとに選ばれた美術品が展示され、

レストランやカフェ、図書館、劇場、映画上映スペースなども併設し利便性の高い施設として、

パリの新しい観光スポットとして評価されています。

 

そして最後に特筆すべき点をひとつ。植物学者パトリック・ブランが手がけた緑の壁面や、

収蔵作品の原風景を可能な限り再現したという景観建築家ジル・クレモンによる

18000㎡に及ぶ壮大な自然庭園の存在。

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「垂直庭園」を研究しているパトリック・ブランは、フランスの芸術文化勲章や数々の賞を受賞し、

グリーンアーティストとしても今や世界中から注目を浴びる人物です。開館から時を経るにつれ、

緑の壁面がダイナミックに成長を続けており、この美術館の見所のひとつとなっています。

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ケ・ブランリ美術館の建設を巡っては、開館前から論争が巻き起こったそうで、

美術館に収蔵されることにコレクションは、人類博物館の「研究資料」であったものと、

国立アフリカ・オセアニア美術館の「美術品」であったものがあり、研究の対象物とするか、

美的観点から展示・鑑賞するかといったもので、現在も、その議論が続いてはいるそうですが、

パリ市民や観光客はそのエキゾチックな展示品に心を奪われてしまっています。

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セーヌ川沿いに連なるルーブルやオルセーなど歴史ある美術館とは対照的なケ・ブランリー美術館。

パリ観光にオススメのスポットです。