World MUSEE Tour 世界ミュゼ探訪004 サムスン美術館 Leeum

サムスン美術館 Leeum8

飛行機で僅か3時間弱。お隣は韓国、ソウルにやって参りました。歴史的な建造物、見所も多く、ソウルフルな食文化、ショッピング、舞台観劇、カジノ…と、エンターテイメント性の高い東京都並ぶ大都市ですね。

ソウルに訪れると必ず向かうのが今回ご紹介する サムスン美術館 Leeum(イウム)です。ここは、繁華街の梨泰院(イテウォン)から近い閑静な漢南洞(ハンナムドン)に、韓国最大の規模を誇る私立の美術館・博物館です。

サムスン美術館 Leeum5

サムスングループのサムスン文化財団が運営し、創始者の名前LEEとmuseumの造語からLeeumと名付けられ、2004年にオープンしました。伝統的な韓国の国宝36点を含む文化財に加え、近現代作品などサムスングループが所蔵する、15000点余りのコレクションの中から選ばれた作品を集め一同に展示する美術館で見応えがあります。

過去・現在・未来という明確なコンセプトのもと、世界的に著名な3人の建築家を迎えられ、8年という歳月をかけて完成し、建築の世界でも大きな注目を集めました。

サムスン美術館 Leeum7

サムスン美術館 Leeumは、陶磁器、古書画、金属工芸品、仏教美術などを展示したMUSEUM1(古美術館)。韓国そして世界の近現代美術を展示したMUSEUM2(現代美術館)、そして企画展の展示と教育施設のためのサムスン児童教育センターという3つの建物から構成されています。

地下鉄を乗り継ぎ、地図を片手に住宅街を通り、徒歩10分。美術館にたどり着くと、日本人アーティスト宮島達雄によるLED素材を用いた1~9の数字が点灯する作品を埋め込んだエントランススロープが迎えてくれます。時間の経過とともに数字が変化することで、これからの鑑賞を盛り上げてくれているかのよう。

サムスン美術館 Leeum6

地下1階にあるシンボリックな円形で構成されたメインホールで受付を済ませます。一流企業の文化事業に相応しく、大理石の光沢に、自然光は反射し、贅沢な空間に招待を受けたような感覚をもたらしてくれる素晴らしいホールです。

サムスン美術館 Leeum2

まずは、時系列にMUSEUM1(古美術館)から鑑賞を始めることにしました。ここは、国宝36点、宝物96点をはじめ、先史時代から李朝時代までの陶磁器、仏画、金属工芸品、書道など約120点が展示された常設展示館で、韓国伝統美術の神髄に迫った作品を鑑賞できます。

サムスン美術館 Leeum4

まず最上階4階までエレベーターであがり、4階(青磁)、3階(粉青沙器・白磁)、2階(古書画)、1階(仏教美術・金属工芸)のフロアを、個性的な逆円錐形の螺旋階段を下りながら鑑賞。 設計はマリオ・ボッタ。出身のスイスを中心に活動し、地域的な特徴を生かした建築で評価されている建築家で、日本ではワタリウム美術館で知られています。得意とするヨーロッパ古典建築に深く根付きながらも、その地域から得られる自然素材を使い、そのエリアの伝統を再解釈する手法と、圧倒的な重量感と幾何学表現が、ここでも大いに実現されています。ここの螺旋階段ほど、彫刻的で踏み出す度に驚きを与えてくれる建築は初めてでした。

サムスン美術館 Leeum1

MUSEUM2(現代美術館)は、韓国内外の近現代美術の流れを把握できる展示。1910年代以降に作られた韓国美術の作品や、1945年以降に抽象美術を導いた作家の作品、西洋の現代美術史における重要な作品、そして世界的に著名な現代美術作品を一同に展示しています。韓国を代表するメディアアーティストであるナム・ジュン・パイクのインスタレーションや、日本からは人気の村上隆や奈良美智の作品も展示されています。
設計は、ジャン・ヌーベル。ガラスや鉄などの無機質材料を使った洗練されたイメージで、現代的に進化を遂げているソウルの国際的な存在感を表現しているかのよう。

サムスン美術館 Leeum3

MUSEUM3サムソン児童教育センターは、企画展の展示と教育施設であり、未来の芸術文化を見据えた空間というテーマに合わせて、実験的な演出がされ、中央に浮かんだ打放コンクリート製のブラックボックスを中心に、地下2階の展示空間と最上階の空間に分かれています。設計したレム・コールハースは2000年、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家で、『錯乱のニューヨーク』や『S,M,L,XL』など、建築理論に関する著作でも多大な影響を及ぼし、自身の設計事務所であるOMAのプロジェクトを通じ、様々な規制、枠からの自由を主張し、難度を伴う建築で有名です。

サムスン美術館 Leeum9

3人の建築家によるコラボレーションによる世界でも稀にみる競演が繰り広げられる、韓国ソウルの新名所として既に認知されている美術館です。コレクションも多く、展示の入れ替えも行なわれ、現代アートの企画展なども開催されるため、チェックが欠かせません。ソウルに行かれる際は、美術館という選択肢も忘れることのないように…。