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見えない者の存在

 

スロベニアの鍾乳洞群を巡った時、突然まっ暗闇に

放り込まれて、幼い頃の記憶が蘇った。

暗闇や物陰に感じた「何かがいる」という感覚、

見えない力の存在。それに対する言いようのない恐怖。

同時に静かな森の自然に身を置いた時の安堵感。

これらはすべて自然への畏敬の念から来たのではなかったか。

今も体のどこかに刻み込まれていて、

ふとしたきっかけで記憶の底から浮かび上がる。

都会にいると見えなくなっていた

想像に生きる者たちが「忘れないで」と私に呼びかける。 

 

作家紹介

 

柴原 薫

91年より広告写真家として活動する傍ら、国内外で美術写真を発表。デジタル合成なし、大型カメラのFILM撮りに拘る。

陰陽師の形代、鳥獣戯画、SF映画に登場するモンスターなど、空想と現実を行き来するものに感化され

01年より義眼を組み込んだeyesシリーズに取り組む。

作家WEBサイト http://www.kaorushibahara.com

 

作家紹介 評論

 

KAO’RU

C’est d’abord un regard sur la nature et sur la planète telle que l’homme l’a transformée que nous apporte le travail de Kao’ru.

En confrontant l’art de la nature, les plantes, les fleurs d’une part et les objets issus de l’industrie d’autre part, kao’ru nous met face aux enjeux du monde moderne.

Kao’ru établi des relations entre les couleurs naturelles des fleurs et celles, artificielles, des objets produits par l’homme: le rouge et le bleu qui expriment la vie.

La langue française appelle ces images des natures mortes alors qu’il s’agit ici de la vie des plantes, des objets et de notre monde.

Kao’ru nous rappelle que avons perdu cette crainte des phénomènes naturels qu’avaient les hommes à l’origine de la civilisation et que nous avons développé un monde qui non seulement détruit la nature mais menace aussi toute vie. Il nous incite par ces photos à réfléchir à cette situation et à repenser notre rapport à la nature.

Daniele Sodano

  

KAO’RU

彼の作品で先ず気がつくことは変容された人間のようなものが存在する惑星と自然である。一方では自然、植物、もう一方では工業生産の物質を対比させ、KAO’RUは私達に現代社会の駆け引きの様相を見せる。

KAO’RUは花の自然な色彩と人間により作り出された物質の人工的な色彩;生命を意味する赤と青、の色彩構成を作り上げている。

フランス語では私達の世界の物体、植物の生命もnature mort(直訳、死んだ自然、意味=静物)というイメージで呼ばれている。

KAO’RUは文明の起源、人間は自然現象を恐れることを止め、私達が自然を破壊するだけではなく、全ての生命を脅かす世界に発展させたことを私達に思い起こさせる。彼は私達を、この人間の状況を考えさせ、私達と自然との関係を再考させることを彼の写真で煽動している。

ダニエル ソダノ

 

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展覧会の様子

銀座レトロギャラリーMUSEE(ミュゼ)では、本日2016/12/21(水)より「柴原 薫 展 KAO’RU® Exhibition12 見えない者の存在 Encounter with lovely eyes」がスタートしました。ショーウィンドーに登場した、シースルーでゆらめくeyesシリーズで、通行する人の度肝を抜いています。

作家12回目となる本展では、出力には「フレスコジークレー」を使用。その上に金沢産による数種類の金箔を散らす技巧を凝らしています。「フレスコジークレー」は、フレスコ画のようなかすれのある独特な風合いで画面を構成。フレスコ画の技法を現代に再現した漆喰シートによる特殊プリントで、 シート表面に繊細で不連続な突起が並ぶ漆喰特有のテクスチャーが醸し出す独特のゆらぎと奥行き感を最大限に活かし、優れた保存性と従来の写真表現を超えた情緒豊かな作品を創り出しています。日本国内に僅か170メートルしか残っていない希少な用紙とのことです。その繊細な表現をお楽しみいただけます。

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小品としては、4×5Filmに金箔をチラシ、2~4層ものクリスタルレジンで丁寧に閉じ込めた作品も出展。合成なしに一発撮りに拘った創作過程にこだわり、1作品につき4~5枚しか存在しないというフィルムそのものを閉じ込め、時間を止める印象を残す作品となりました。

新しい表現、技術に、大胆なアプローチで挑む柴原薫さんによる新作展。三連休を含み、クリスマス2016/12/25(日)までの5日間。年末の華やいだ銀座、どうぞお気軽にお立ち寄り下さいませ。