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【開催趣旨】

倉品雅一郎(1954-)は、「アセンブリッジアート」と呼ばれる芸術ジャンルにこだわり発表を続ける美術家です。

小学館に勤務し、石ノ森章太郎、あだち充、さいとう・たかを、藤子不二雄Ⓐ  氏など多くの有名漫画家を担当し、「ビッグコミック」の編集長を歴任したという異色の経歴を持ちます。物語の創作現場に関わった経験が原動力となり、独特の世界観である「人狩人」をテーマにした作品を30年間一貫して制作してきました。突然訪れる死、人間の運命を左右するのは「人狩人」による容赦ない魂狩り。オブジェ・彫刻・絵画がひとつの空間で融合し生まれる壮大な物語です。 誰も必要としない廃物を集め組み立て、誰も見たことのない異形を彫り出す。誰も見たことのない異世界を描く。今この瞬間も追求し進化する芸術「アセンブリッジアート」を駆使して展開されます。  

2016年6月、銀座レトロギャラリーMUSEE(ミュゼ)では、好評だった昨年に引き続き2回目、新作を含む展覧会を開催します。倉品雅一郎が描く「人狩人」の世界、存分にお楽しみください。

 

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  ↑ 展覧会パンフレット(PDF:420KB 335KB )ダウンロードリンク

Assemblage Art アセンブリッジ アートとは

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「アセンブリッジアート」とは、絵具材を使うのではなく、紙や木片、金属板など異質な素材・廃材を寄せ集めて立体的に創作する芸術概念である。一般的な彫刻とは異なり、「パピエ・コレ」や「コラージュ」を立体的に発展させたものである。  

 20世紀初頭、シュルレアリスムの作家マックス・エルンスト(1891-1976)やキュビズムを創出したパブロ・ピカソ(1881-1973)が始めたとされる。 美醜の感覚から逸脱し、それまで芸術の素材とは見なされてこなかった物体を寄せ集め、混沌とも言える立体構成こそが「アセンブリッジアート」の最大の特徴である。廃品を用いる「ジャンクアート」と重なる部分もあるが、現実空間と造形空間を同等に対置させ緊張関係を生むことで、既存の価値観を否定しつつ、現代消費社会の現実を自覚的に引き受け反映させる意味においてより深度がある。  

 「アセンブリッジアート」は、反芸術的な要素を内包したことで、ダダイスムやシュルレアリスムに連結した。「レディメイド」で美術界を震撼させたマルセル・デュシャン(1887-1968)をはじめ、世界の美術界において様々な作家が挑み、独自の解釈で作品を制作した。歴史に裏打ちされた「アセンブリッジアート」は、現代美術の礎として、今もなお影響を与えうる稀有な芸術なのだ。

金属オブジェ

世に作り出されたものは必ず古びゆく。汚れ摩耗し錆び、本来の機能を失い無価値な物体になる。工業製品のスクラップ、一般の家庭から出される不用品、時代遅れの息絶えたゼンマイ時計…だが、消滅する運命の素材が偶然に出会い組み合わされた時、予期せぬ姿のオブジェが生まれる。往々にして「アセンブリッジアート」は「ジャンクアート」として、破壊、滅亡などのイメージと結び付けられ風刺的あるいは抗議的メッセージに使われきた。しかし、倉品雅一郎による金属オブジェの作品群は、デジタルによって視覚的な輝きを放ち、ゼンマイ仕掛けが心地よいリズムを刻む。倉品が30年来取り組む「人狩人」の居住世界、そこで流れる時間を演出するには欠かすことのできないものとなった。

彫刻

絵画世界から飛び出し、彫刻として三次元で表現した「人狩人」の日常。木角材から丁寧に掘り出した像に彩色。異種木材・エポキシ樹脂・タイル・布地・金属素材・LED・デジタルセンサーを組み込み、「抽象か具象か」という二元論的分類をしない作品群である。 倉品によると、普段から無作為に素材・廃材を集めておき、徐々にイメージが固まるのを待つため、完成させるまで2年かかる作品もあるという。 特に、不要になった理科教材の木箱に「人狩人」の家族を収めた新作『王家廟』(2016)は、「アセンブリッジアート」ならではの未視感漂う作品に仕上がった。

絵画
テーマは「人狩人」と人間の生命。描かれる朱色玉は未だ無性別の生まれたての生命、魂のアトリビュート(象徴)である。やがて魂は成長して青色玉が男性、紫色玉が女性のアトリビュートとなる。人間界では年齢・体格・人格・美醜・貧富・学歴などで個別化されるが、「人狩人」にとっては全て同じ大きさと色の、単なる玉としか捉えない。そして極めて平等に容赦なく人間の魂狩りを実行する。 画面はリキテックス・アクリル樹脂・シリコン樹脂・ガッシュ・パステル・ニス・砂・金箔など使用し、額装も「アセンブリッジアート」の作品と捉え、ミックスメディアで制作されている。

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「人狩人」とは

人間の生命が不条理に消えてゆく。

昨日までの笑顔が明日には突然亡くなる。

航空機やバス乗客に訪れる不幸な事故…歩道をゆく人々をなぎ倒す暴走車…

外国観光地で巻き添えになるテロリズム… 凶器を持つ見知らぬ暴漢との遭遇…

予知できぬ大地震や大津波の被災。

でも本当は事故や災害、予期せぬ出来事は「人狩人」が用意したこと。

何処か遠く異界に住む彼らが、人間の運命を決めているのだ。

人間の魂は、生まれたての生命として、朱玉として地に放たれ、男は青玉、女は紫玉に成る。

しかし「人狩人」には全て同じ色の玉にしか見えない。

年齢・人格・美醜・貧富・学歴など関係なく、極めて平等に容赦なく狩りの対象とする。

そう、「人狩人」は今この瞬間も、地から朱玉を拾い集め

何百何千という人間の魂を昇華させているのだ。

 

アーティスト・プロフィール

倉品 雅一郎  

1954年東京生まれ。早大卒後、小学館勤務。35年間漫画編集者として石ノ森章太郎、あだち充、さいとう・たかを、藤子不二雄Ⓐ 氏他多くの作家担当。「ビッグコミック」編集長など歴任後2015年退職。現在、㈱藤子スタジオ顧問。  

1980年より絵画制作をはじめる。東京都美術館公募展(モダンアート協会・主体美術協会・亜細亜現代美術 他)を中心に発表 。デジタル作画では二科展イラスト部にて作品発表。自身が生み出した「人狩人」をテーマにした独特の世界観を、「アセンブリッジアート」という芸術技法を駆使して展開する。

展覧会の様子

本日6/8(水)より、銀座レトロギャラリーMUSEE(ミュゼ)では、倉品 雅一郎 展 「hitokariudo 人狩人 human hunter」 ~進化するアセンブリッジ アート 金属オブジェ+彫刻+絵画~ がスタートしました。

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1年ぶりの倉品展。より華やかにグレードアップし、新作メインの会場構成となっています。グレゴリオ聖歌が荘厳に流れる空間。昭和30年代のアンティーク古時計のゼンマイがカチカチと響き、センサーが感知して光が放たれています。

日本を代表する漫画家さん、アニメーション制作、小学館などの出版関係者から届けられた花が、まるで花園のように空間を彩ります。初日は、途切れることなく多くのお客様にお越しいただきました。

倉品さんの描く「人狩人」のストーリー、単なる廃材利用にとどまらない、異色なモノの組み合わせ(アセンブリッジ)、その機知にご注目ください。今週末6/12(日)まで。