yamane-chiaki-ginza-musee-top2

 開催趣旨

musee-exhibition

銀座レトロギャラリーMUSEE(ミュゼ)の新しい取り組みである完全企画展「MUSEE exhibitions」。海外をはじめとした経験、背景から、信念を持ち意欲的に創作する気鋭作家を、紹介するシリーズです。

記念すべき第一弾は、2015/2/11より 山根千明「ラストオブユーアンドミー Last of you and me」を開催します。6年間ロンドンで学び、日本帰国後の初個展となります。記憶の断片である写真を無作為に選び、デジタルで再構築。同じ構図を油彩で表現し、鑑賞者に自由に物語として結実してもらうという、新しいプロセスに取り組みました。プロジェクターを駆使し、展覧会で初公開します。

レトロな近代建築を舞台に繰り広げられる新しいアート表現への挑戦、どうぞご期待ください。

yamane-chiaki-ginza-musee-top

「Last of You and Me」2015 キャンパスに油彩 970×1303

「patchery ♯1」2015 デジタルフォトコラージュ プロジェクター投影

 コンセプト

「ラスト オブ ユー アンド ミー Last of You and Me」

 私たち個々を形作っているものは、今日に至るまでの経験を通して、何を知り、何を得て、そこに何を見いだしたかにあると考える。私たちは、今この瞬間、それぞれが辿ってきた過去からの経験の終着点にあり、今も尚刻々と更新されている。 

 情報化が進み、 目紛しい変化を絶えず流動的に浴びせられている現代。そうした情報の波は、 瞬間的な事柄に目をいきやすくさせ、人々に考え、昇華する余地を与えることなく流れ続けている。そして匿名性の溢れたバーチャルな世界の浸透により、個としての存在認識を強める一方、「自分」とは「個性」とは何なのか、その本質と向き合うことの筋道が霞んでしまっているのではないだろうか。

 今回展示する作品は、私自身と親族、古雑誌、留学時に古着屋などで買い集めた故人の写真などをデジタルでコラージュし、新しい空間を作り、そのイメージを古典的な絵画に置き換えるという一連の流れを伴った展示となっている。 実体のないイメージをモニター上で重ね合わせ作られるデジタルコラージュは、違う視点、違う時間軸の景色をごく自然に融合させ、曖昧さを伴いながらそこにある四次元的な差異を埋めてくれる。そして私自身を含めた複数人のバックグラウンドから作られたイメージは、 絵画に落とし込むことで、偶然性と質感を含み、初めて一つの空想世界として自律し、この一連の制作行程の終着点がそこに生まれたのではないかと感じている。そして、こうした一連の流れは、互いに影響し合い自己を確立して行く、人間と人間の間で起こるコミュニケーションのプロセスと似ているのではないだろうか。

 社会には様々な生の流れがあり、それが幾十にも交差するように人と人は繋がっている。人は他者との関わりや、そこから生まれる経験を通して、継続的に自身のあり方を変えて行く。そうした変化は、ある地点で、自身の過去を振り返った時に初めて見えてくる。そしてその軌跡の中に、今まで関わってきた他者の存在を改めて実感することになる。また、その他者も同様に、様々な変化の軌跡を内包し存在しているのである。

 本展覧会では、こうした「人と人との繋がり」という連鎖を表現すると共に、その中で私たちがいかに自分を見いだして行くのかを、ご来場頂く方々と再確認し、共有できたらと思います。そして、展覧会タイトルにある「ラスト」は、先を見いだすための一時的な「終着点」を意味しています。制作プロセスの終着点である絵画から、観覧者様それぞれに新たな物語を見いだし昇華して頂き、そして本展が、「自分」という物語の軌跡を辿り、先へと繋げるための終着点を見いだす一つのきっかけになることを強く願います。

山根 千明  

作家経歴

   山根 千明 Chiaki Yamane

1989年 ロンドン生まれ

2008年 高校卒業後、単身渡英

2009年 St. Giles 語学学校にて英語を学ぶ

2010年 ロンドン芸術大学セントラルセントマーチンス校 ファンデーションコース終了

2010年 グループ展 SHOKUTAKU (The Rag Factory)

     ロンドン芸術大学チェルシー校入学

2012年 グループ展 Breathe in/out (チェルシー大学)

     企画展 East Meets West: Art & Design Now  (Mokspace)

2013年 ロンドン芸術大学チェルシー校卒業制作展 (チェルシー大学)

     ロンドン芸術大学チェルシー校卒業

     日本帰国

2014年 東京ワンダーウォール 入選

展覧会の様子

スライドショーには JavaScript が必要です。

オープニングパーティの様子