MUSEEexhibitions「銀座、次の100年のためのスタディ展 川崎ブランドデザイン100周年事業」。全プログラム を終了しました。

年初より2ヶ月間 開催して参りました MUSEEexhibitions「銀座、次の100年のためのスタディ展 川崎ブランドデザイン100周年事業」。本日2/19(日)18時をもち、全てのプログラムを終了しました。銀座に残る小さな近代建築、その可能性を考えるきっかけとなった展覧会となりました。

期間中は、毎週末6回トークイベントを開催し、延べ400組を超えるお客様がご来場され、皆様と銀座の未来について想いを馳せていただくことができました。深く御礼申し上げます。今後も、都市景観や建築に関する展示を継続して参ります。ご期待下さい。
次回展示は、「志賀絵梨子展 具象化された想い」を3月15日(水)〜19日(日)開催となります。建築見学も随時承っておりますので、営業時間(水〜日11時〜18時)お気軽にお立ち寄りくださいませ。

「銀座、次の100年のためのスタディ展」。トークイベント【「中銀カプセルタワービル〜名建築を保存する7つの方法〜」 ゲスト:前田達之氏(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表) 】

「銀座、次の100年のためのスタディ展」。2017年2月11日(土)に開催されたトークイベントの様子です。ゲストに、前田達之さん(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表) をお招きし、「中銀カプセルタワービル〜名建築を保存する7つの方法〜」 と題し講演いただきました。

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銀座のランドマーク、黒川紀章設計の「中銀カプセルタワービル」。60年代、丹下健三の影響を受けた、黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦といった建築家を中心に展開された「メタボリズム」。建築を新陳代謝させるという前衛的な設計思想を体現した異色の名建築です。

 

前田さんは、2010年に1つめのカプセルを取得されて以降、ビルを愛し、今では複数カプセルを所有。ビルの保存・再生を求め、住人らと2014年中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングを成功させ、ビジュアルファンブック「中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟」を出版し、およそ20カプセルのリノベーションを手掛けるほか、国内外のメディア対応や「カプセルバンク」「アートプロジェクト」等に取り組まれています。( HP http://www.nakagincapsuletower.com/ )

 

名建築を保存する7つの方法として、「1知る、2広める、3繕う、4企てる、5組む、6つながる、7活用する」という項目ごとに、これまでの活動の様子を写した写真とともに分かりやすくご説明いただきました。黒川紀章がメディアで注目を集めたように、前田さんの保存運動も、テレビや新聞、ネット、雑誌や書籍、写真などメディアへの露出、コラボレーションなどが核になっています。今では、日本を代表する現代の風景として紹介され、キアヌ・リーブスなど著名人が前田さんを訪ね、ビル見学に訪れるほど国際的に注目されています。

 

築45年を迎え、カプセルという特殊な構造につき、給排水や老朽化が進む現在。丁寧にリノベーションをサポートされた成果が実を結び、新たな住人が増え、個性的なカプセルが次々と誕生しています。映画上映会、アートイベントの企画など、住人同士のコミュニティ形成に一役買い、現在進行形で新たな文化を発信されています。
いつか「世界遺産に登録されるように頑張りたい」という明るいメッセージで締めくくられました。注目度高く、30名近いお客様にご参加いただき、質疑応答も盛んに行われた講演会。前田さん率いる中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト、これからの展開が見逃せません。